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無事入稿が済んだので、コミティア新刊の宣伝をば!

9/2に東京ビックサイトで行われるCOMITIA101!
スペース:D02a
サークル名:メタエプロパ
新刊:ノラドラゴンとノラ人間【1】
32P/オンデマンド印刷/300円
表紙:may様

今年はオフライン活動するぞ! の第3弾☆
タイトルの後ろに数字がついてるのは、勿論続き物ってことです♪♪
日程的にカツカツ過ぎて、大変だった。。。
ジャンルとしては『未来SFファンタジー』って感じかな?
続きは2月のCOMITIA103に受かれば出します。


ざっくり内容を書くと、
 数百年後の未来。恐竜再生計画は失敗に終り、救世主として登場したドラゴンたちが人の世界に溶け込んで共に生活をする世界が広がっていた。人の言葉を喋るドラゴンの中の異端児、ノラドラゴン ”D”。親に捨てられ孤独に生きるノラ人間 ”N”。ひょんなことから出会った一人と一体は、何でも屋を営んで遅刻学生の足に使われる日々。金持ちの坊ちゃんにイラッとしつつ、拾ったのは記憶を持たない少女。「信じて貰えるか分からないけどさ。あたし一回死んでるのよ」。行き場の無い少女を放っておくこともできず、暫く寝床を貸すことにしたが……。

まぁ、まるっと表紙の後ろに乗せたあらすじです。

コミティアに遊びに来られる方、ついでのついでのついでくらいに足を運んでくださると嬉しいです。

ご興味もたれた方、チョイ読みからプロローグが読めるようになってます!
雰囲気だけでも感じてもらえれば本望!

 それは、土砂降りの雨の日のことだった。
 ドラゴンと呼ばれる存在が人の生活に入り込んできたのは、今からざっと百年ほど前のこと。ある事故がきっかけで、やむを得ず作られたのだ。
 鳥の遺伝子を操作して牙を作り尾を作り、そうして恐竜を再生させるプロジェクトが世界各地で動いていた。プロジェクトは成功し、大人しい恐竜達を上手く制御できていた。できているはずだった。
 恐竜復活から十五年後、狙ったかのように世界中の恐竜が同時期に暴走し始めた。檻を破り、家を壊し、人の生活を脅かし始めた。更に悪いことに日本では政府機関が直接面倒を見ることができるように、と研究機関を東京近郊に置いたのがまずかった。政府は組織ごと崩壊し、日本国は江戸時代より前に戻ったかのように県・もしくは市町村単位で政治を行うようになった。後にこれを恐竜暴走期と呼ぶ。
 この時期に救世主的な存在として解き放たれたのがドラゴンだ。高度な知能を持ち人と心を通わすことが出来る彼らは、凶暴な恐竜たちを人間と力を合わせて殲滅し、次第に人の生活に溶け込み、なくてはならない存在となった。生活の足として、警備員として、家政婦(?)として、ともに生きている。
 かといって、全てのドラゴンが人とともにあるかというと、そうではない。恐竜暴走期が過ぎて、人知れず森や山や海でひっそりと暮らしているもの、街から街へと彷徨っているものもいる。
 そして、すぐそこに居るのは、町を彷徨っているドラゴン――ノラドラゴンと思われた。背の高さは2メートルほど、尻尾まで含めると3メートルはありそうな、中型のドラゴン。濡れた体表は暗い色をしている。高層ビルの合間で置物のように動かない。何をしているのかとも思ったが、後ろからではそのドラゴンがどこをみているのかさえ分からなかった。
「そこ、邪魔なんだけど」
 見上げて、声をかけた。
 雨音に負けないくらいの声で話しかけたつもりだったが、聞こえなかったらしい。人語を話すことはないが、人語を理解することは出来る。だからこそ普通に話しかけたのだが、ピクリとも動かない。
 小さく舌打ちをして、どうしようかと思案する。両手は塞がっていた。久々のご馳走を持っているのだ。ほんの少し傷があるからという理由で捨てられた、大量の果物。先ほどケーキ屋の裏で見つけたそれを、持っていた袋につめて両手に抱えてきた。寝床まではまだ歩くが、ここで捨ててしまう訳にはいかない。
 仕方が無い。気は進まないが蹴りつけてこちらに注意を向けようと足を動かす。軽く二、三度大きな足を蹴ると、ようやくこちらに頭を向けた。
「ごめん、通してくんない?」
 既に十数年生きているが、ドラゴンに話しかけたのは初めてだった。こんな街中に居るのだ、襲ってきたりはしないだろうが素直に動いてくれるのか、少し心配にもなる。
「通行料に、それ一つくれ」
 何を言われたのか分からなかった。というより、何が喋ったのか分からなかった。自分の目と耳を信じるなら、目の前のドラゴンが言葉を発し、今夜の食料を通行料として払えと言っている。
 いや、ちょっと待て。ドラゴンが喋った?
「お前……気ぐるみか何か?」
 きっとそうに違いないと思って聞いてみると、少し傷ついたように肩を落とすしぐさをした。
「俺はノラドラゴンだ」
 こうもはっきり言われると、疑いたくなってしまう。言葉を発するドラゴンなんてものが、存在したのか。驚き過ぎて、どう反応して良いのか分からない。
「お前は?」
「俺……?」
 問われて考える。自分は、何だ?
 中学を卒業して残飯を漁りながらその日暮らし。人に呼んで貰う名など、捨ててしまった。野生動物のような、そう――。
「俺は、ノラ人間だ」

 これが、一人と一体の出会いだった。



どうぞ宜しくお願いします(ペコリ
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